ふんわり王子と甘い恋♡



「我慢、……いや、?」

「、…」



私は一体……なにを我慢すればいいの。



「な、に、を……」

「、…?」

「我慢、すれば……いい、です、か」

「え。」



噛み合ってなかった会話に驚いたのか、フワリくんの口が開いた。



「……。」

「、…」



見つめられると、耐えられない。


丸い両目が私を見てて、恥ずかしくて、逸らしちゃう。



「え、と……俺、の……うし、ろ。」

「……」

「乗る、の……我慢して、くれれ、ば、」

「、…」



……うしろ。


フワリくんの、後ろ!?


それって、自転車の後ろってこと、なんじゃ。


え……い、いつ?


いつからそんな話になってたの?



「いや、だよ、ね、…」

「ち、…」



違う、


全然、


むしろ逆、


いやの逆!



「で、も……あの、迷惑、だし」

「迷惑、だよ、……ね。」

「ち、…」



違う!


私が迷惑なんじゃなくて……!


フワリくんに迷惑がかかるし!ってこと、なのに。



なんで言葉にしようとすると、全然、うまく言えないの……。


もう嫌……言葉がうまく出てこない自分が、もう、……やだ。



でも。


せっかくの……ご厚意。


なにも言えなくて、嫌われるほうがいやだから。



頑張れ、……私。


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