ふんわり王子と甘い恋♡
私たちを追いこして、フワリくんたちは学食の奥へと進んで行った。
あまりに突然のことに頭が真っ白になった私とヨッコは、人混みの波に押されてハッとする。
「…だ、だいじょう、ぶ?」
「なん、と、か…」
多分お互い、心臓の音は同じだけ速くなっている。
…………。
2人で顔を見合わせて、ハッと気づく。
「「どこ座った!?」」
ぼーっとしている場合じゃない!
座る席が分かったら、学食に居る間はずっとフワリくんを見ていられるかもしれない。
急いで先輩たちが行ったほうに向かうと、抜けた人混みのすぐ目の前に突然さっきのフワリくん集団が現れた。
私とヨッコは急ブレーキで回れ右。
なにもない空間を、ただ見上げたりして誤魔化した。
「も、…なんでまだそこにいるの」
「…知らない」
立ち話でなにやら盛り上がっている声が、背中越しに聞こえてくる。