ふんわり王子と甘い恋♡
「なにしてんのって、飯食うに決まってんだろ」
「あ、そっかー」
振り向いた瞬間、真後ろにいたフワリくんと思いきり目が合った。
合った瞬間パッと逸らして、咄嗟に前に向き直す。
だってこんな間近で目が合ってたら、好きがバレちゃいそうで、怖い。
「、…」
背中が妙に緊張して、勝手に背筋が伸びちゃう……
「つーか直人がリーダーとか、まじ俺ら勝てる気しないんだけど」
「なに言ってんの、去年俺らのチーム優勝したじゃん。だから今年もいけるって!まぁ優勝は俺らがもらうから、そっちは準優勝だけどね!」
「2年と1年のチームで優勝とか、まじ奇跡だったよね」
「今年は俺ら2年同士でチームになったから、去年みたいに先輩に気ぃ遣わなくて楽ー!」
「いやお前、去年も俺らに気なんて遣ってなかったろ。なぁ大ちゃん」
会話の内容からわかるのは、直人って人はフワリくんたちの1個下の2年生。
去年はフワリくんたちと同じチームで、優勝したらしい。
そして今年は、チームリーダーに抜擢されたってこと。
だけどそんなこと、私の頭には入ってこない。
「直人、うるせ、」
後ろから聞こえた笑い交じりのその声に、背中がジワジワと熱を持つ。
背中が熱を持つって……初体験。