フヘンテキロマネスク
「……何を考えてんのかわかんないけど、もしもまたなんか強がってるなら強がらないでよ」
その言葉を聞いて、思い出してしまった。
『真咲って名前を見た時、俺は自分を偽らない真の姿で咲く、ってイメージ持ったよ。だから強がったりしなくてもそのまま、ありのままでいればいいと思う』
『だから俺は真咲が真咲でいられるように名前を呼ぶよ』
私が人生で2回目に自分の名前を良いなと思えたのは、その言葉があったからだ。
あのときはその優しさに包み込まれるような気持ちになったけど、今はその優しさに胸が苦しくなる。
改めて鈴本くんが私にはもったいないくらいに優しいと思い知って、余計に私じゃだめだ、と思った。
優しい鈴本くんには、同じくらい優しさを煮詰めてできたような、女神みたいな人と付き合ってほしい。
「……強がりとかじゃないから、本当に気にしないで」
だってありのままの私を見せたら、見放されてしまう気がして。鈴本くんが私のどこを見て好きになってくれたのかわかんないから。