フヘンテキロマネスク



「……いや、まあとりあえずそれは置いといて、今は先に決めよ」


だけど日菜はさっさと切り替えて、次の瞬間には吟味するのに忙しそうだった。日菜のさっぱりとした感じが、一緒にいて楽な理由かもしれない。


注文を終えてから届くまでの間、本題には触れずに当たり障りない会話をしていた。日菜の前にフルーツたっぷりのパンケーキ、私の前にフォンダンショコラを置いた翔さんが下がっていくのを見届けた後、日菜が口火を切る。



「さっきの話だけどさ、ふたりで出かけてたっていつの間にそんなことなってたの?ってか今ってどんな関係なの?」

「どんなって、ただの友達だけど……」

「いやそれはなくない?鈴本くんはまさちゃんのこと好きなんだしさ」

「ちょ、ちょっと声もう少しおさえて」



一応同じ店内に鈴本くんの親戚のかたがいると思うと、こうも明け透けに話すのはあまりよくない気がする。


それならもともと違う場所を選べばよかったっていう話だけど、そこまで気が回ってなかったんだ。

まあ一応キッチンから距離はあるし、翔さんと麻由子さんも仕事しながらも話してるから、私たちのことなんて気にしてはないと思うけれど。

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