フヘンテキロマネスク
この先ずっと、渚以外の人なんて考えられない。



「もちろん喜んで」


一切の躊躇いもなくそう答えると、渚は瞳に涙の膜をはって、笑った。きらきらゆらゆらと、瞳が揺れていて、この世の何よりも綺麗だと思った。

愛おしさが溢れて苦しくなる。ただ見つめあってるだけで今は幸せで。この時間が永遠に続いてもいいと思えるほど。


そうやって幸せな気持ちに浸っていれば、渚が突然「あーもう、」と困ったように頭を抱えだす。

何事かと身構えれば、「.......テーブル挟んでなきゃ今すぐキスするのに」と真面目な顔をして言うので、思わず力が抜けてしまった。



「今すると止まらなくなりそうだからいいよ」

「.......たしかに否定はできない」



「まあその分夜に、ね」と急に色気を醸し出してきた怪しげな笑みに、なんとか引き攣りそうになるのを堪えて「.......覚悟しておきます」と返すので精一杯だった。
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