That's because I love you.
「…まりあのことが好きだ。…滅茶苦茶、好きだよ。」
「………っ…。」

みるみるうちに目に涙を溜めるまりあを、再び抱き締める。

「待たせてごめん…ようやく気付いた。…まりあのこと、もう手放せない。他の男に渡すなんて絶対に嫌だ。指一本触らせたくない。」
「あ…明広さん…っ。私…他の男の人なんて目に入ってな…」
「…僕も。他の女なんて全く目に入らない。…まりあだけしか、もう見えないよ。」
「…ほんと…に…?」
「…僕にはまりあしか居ない。…これからもまりあにずっと、僕の側に居てほしい。」
「…居ます。ずっと居ます…っ。明広さんだけの…まりあです…っ!」

ぎゅぅぅっと自分にしがみついてくるまりあを、明広も強く抱き締め直す。
意図せず涙が込み上げて来そうになってしまったので、咄嗟に軽口を言って誤魔化した。

「…何その台詞。全くまりあは…。」
「ご…ごめんなさい…っ。また重い台詞を…」
「…違うって。」

我慢の限界が来た明広は、まりあの小さな唇を奪う。
外とか人が見ているとかそんな事情を、考慮する余裕も無くなっていた。

「…嬉し過ぎたんだよ。…好きだよ、まりあ…。」
「…っ…。…私…も、……っ…。」

明広に再び口付けられ、まりあの言葉は飲み込まれてしまう。
粉雪が降りしきる中、お互いの唇の暖かさを感じながら、何度も角度を変えて重ね合わせる。


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