That's because I love you.
(…そうだ…っ。昨日…明広さんに"好き"って言ってもらえたんだ…っ!)

「…本当にごめん。…まりあ、体は大丈…」
「…だ、だいじょぶです…っ!全然…っ。」

うつむきながらふるふると首を振るまりあは、真っ赤な顔からぼしゅぅ~っと湯気を出して照れまくっていた。
普段と変わらないその反応に、明広は思わずぽかんとしてしまう。

「…まりあ、怒ってないの?」
「ふぇ…っ?怒るわけないです…!ずっと幸せでした…昨日…っ。」
「……………。」
「体は、やっぱりちょっと痛いけど…。」

えへへ、と照れ笑いをしているまりあに、明広の胸は撃ち抜かれてしまう。

(…あんなに無理させたのに、"幸せだった"って…。……まりあ…。)

明広は愛おしそうに目を細めると、思わずぎゅっと、小さな体を大事そうに優しく抱き締める。

「…まりあ、ここで休んでて。風呂にお湯溜めて来るから、一緒に入ろ。」
「…はい…っ。ありがとう…。」

涙を滲ませながら笑うまりあにそっと触れるだけのキスをすると、明広はベッドから降りる。
絨毯が敷かれた床の上に落ちていたバスローブを羽織ると冷蔵庫に向かい、そこに入っていたミネラルウォーターをまりあに渡すと、風呂場へ向かった。

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