That's because I love you.
ホテルの部屋の豪華で広い風呂に一緒に入った後、ルームサービスで頼んだ朝食兼昼食を部屋でまったりと食べた。
身支度をしホテルを出ると一度家に帰り、着替えや家事を済ませた後に街で待ち合わせた。
クリスマス仕様の賑やかな装飾が施された街を、仲良く話しながら散歩する。

「都心の装飾、すっごくキレイですね~。わぁ、また大きいツリーだぁ~っ。」
「ツリーはいいけど、まりあ本当に歩いて大丈夫?まだびっこ引いてるじゃん。」

昨晩明広が散々激しく求めたせいでまりあの体にはまだ痛みが残っており、彼女は足を引きずり気味にぎこちなく歩いていた。
ちなみに明広の方は、体調も肌艶も良く非常にピンピンしている。

「幸せパワーのおかげで大丈夫です~っ。」
「…あっそ。」

ほくほくとした嬉しそうな笑顔のまりあに思わず小さく吹き出してしまった後、明広はそのまま横目で彼女をじっと見つめる。

(……というか…。…なんかまりあ、いつもより可愛い気が…。)

彼女への恋愛感情をやっと自覚出来たことと、彼女と気持ちが通じ合ったことで、明広の中のまりあへの愛は今高ぶりまくり、オーバーヒートしていた。
そのため明広の目には今まりあが可愛く見えて仕方がなく、朝から頻繁に彼女に見とれてしまっていた。
すると明広の視線に気付いたまりあが、心配そうに彼を見上げる。

「…明広さん?わ…私の顔、何かついてますか?」
「…ついてないよ。そのワンピース似合ってるなーって思って見てたの。」
「ほんと…っ?えへへ、これ、クリスマスデートのために悩みに悩んで買ったんです~。買い物華ちゃんと行ったんですけど、華ちゃんも服いっぱい試着して迷ってました~。」
「女子は大変だねぇ、色々悩まなきゃいけないことあって。僕は至って普段通りだし。」
「ふふ…っ。明広さんの長い黒のコート、かっこよくて大好きです~。」
「…あっそー。それはよかった。…ほらまりあ、ここ段差ある。気をつけて。」
「はい~っ。」

明広はまりあと手を繋ぎ、彼女の体を気遣いつつ存分に甘やかしながら、隣をゆっくり歩いてやっていたのだった。

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