That's because I love you.
今日は昼食が遅くなった上、夕方甘いドリンクやらソフトクリームやらも買って食べていたので二人共お腹が空いておらず、夕食前に解散することになった。
帰り、明広はいつもの様に、まりあを彼女の住むアパートまで送る。

「送ってくれてありがとう…っ。」
「…いーえ。まりあ、明日はバイトだっけ?」
「はい…!午後からです~。御木本さんは…」
「僕もバイトだよ。午後から。」
「一緒だぁ。頑張りましょうね~。」
「面倒くさいけどねー。」
「ふふ…っ。」

微笑み合った後ふと目が合い、一瞬の沈黙が落ちる。
初めて彼女をここに送った日から、人気の無い門の前でキスをするのが、別れ際のお約束となっていた。
今日自分の理性が何度も崩壊しかかっている明広は今夜それをするか否か一瞬迷うが、すぐにそれを振り払う。

(…何大事みたいに考えてるんだよ、キスくらいで。すぐ終わらせれば平気だ、絶対…。)

まりあの赤い頬を撫で、顎に指を掛け上を向かせ、ゆっくりと唇を重ねる。
数度角度を変えて優しく重ね合わせた後離すと、そっと開かれたまりあの瞼の奥の、碧の瞳と目が合った。
かぁっと顔を一層赤く染め恥ずかしそうに視線を下に逸らすまりあを見た途端、心臓が跳ね上がる。

ーーーこの子が、欲しい。

生まれて初めて感じる強い欲情に駆られ、気付けば彼女の唇を再び塞いでいた。

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