That's because I love you.
夕方になり、二人は外に出てテラスから海を眺めた。
眼前に広がるオレンジ色の夕焼けと、それを反射してキラキラと輝く海は、とても綺麗だった。

(……自然の景色とか、最近全然見てなかったな…。)

思わずぼーっとしながら眺めていると、隣のまりあから声が掛かる。

「…あの…御木本さん。」
「…ん?」
「これ…さっき買ってもらったぬいぐるみの袋に入ってたんです。よかったら、どうぞ…っ。」

まりあが差し出して来たのは、海の写真のポストカードだった。
おまけとしてレジの店員が袋に入れたものだと、すぐに理解した。

「…まりあが持って帰れば?」
「んーん…。えと…御木本さんに、今日の思い出になるもの、何か持っていてもらえたらなって…。」
「………。」

まりあは勇気を出して自分に言い出したのだろう。
少しだけ震える彼女に、思わずきゅんとときめいてしまう。

「…わかったわかった。ありがたく貰っとくよ。」
「…はい…っ!」

ポストカードをまりあの手から取ると、まりあは心底幸せそうにふにゃっと笑った。
健気な彼女が可愛くて、無意識にその小さな体を抱き寄せてしまう。

「……!」
「…ありがとね。」
「…いえ…!私こそいっぱい、ありがとう…っ。」

ぎゅぅっと強くまりあを抱き締める明広の内心に、どんどん焦りが広がっていく。

(……やばい。…こんな可愛いなんて聞いてない。……いやいや、落ち着け…。)

まりあの体を解放すると、テラスの手すりに頬杖をつき、再び海を眺める振りをする。

「…もう少し見ていこう。」
「…はい…っ。」

少しだけ困った様に顔を歪めながら海を眺める明広を、まりあは疑問符を浮かべながら見やっていた。



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