That's because I love you.
「……ん…っ。……っ…。」

後頭部に片手を回し、もう一方の手で細い腰をぎゅっと抱きすくめ、絶え間なく何度も口付ける。

(……、…やばい。…止まらない…。)

小さな唇を割り舌を侵入させるとまりあがびくっと体を跳ねさせたので、安心させる様に髪を優しく撫でてやる。
震えながらも大人しくしてくれている彼女の、温かく甘い口内を優しく侵す。
ゆっくり舌を絡め、上顎をなぞり、また絡めて彼女の柔らかい舌を強めに吸う。

「……んぅ…っ。……、…ん…ん…っ…。」

まりあが漏らすくぐもった甘い声にさらに欲が刺激され、思わず夢中になって舌を絡める。
長く深いキスの後彼女の唇を解放すると、まりあは大きな目に涙を滲ませ、息を切らしながら震えていた。

(……無理。…我慢出来ない…。)

限界を悟った明広は彼女を抱き寄せ、ぎゅっと抱き締める。

「……僕から"もう少し待つ"って言ったのに…ごめん。……帰したくない。」
「………!」

まりあは思わず体を硬直させる。
驚きや緊張は勿論あったが、それ以上にまりあの心を占めていたのは、彼に求めてもらえたことに対する喜びと幸福感だった。

「…まりあが嫌なら…」
「…っ…、嫌じゃ…ないです。」

まりあは明広の腕の中で、迷わずふるふると首を振る。
ぎゅっと彼にしがみつき、呟いた。

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