俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「…四つ葉のクローバーだ…」
「エマお嬢様に似合うと思ってオーダーメイドしたものなんです」
それはキラキラ光る小さなクローバーがぶら下がっている、金色をしたネックレス。
引っ張ったら千切れちゃうんじゃないかってくらいに繊細に作られてる…。
わたしなんかにオーダーメイド?って、見つめてみれば。
「これも俺のエゴですね。…首輪です」
「えっ、」
「お嬢様には少々おすわりが必要ですから」
「なっ、えっ!えぇ!?」
おすわりってなに…!
なんか似たようことを大嫌いな男から言われた思い出があるのに…!!
「もうっ!ハヤセもわたしを犬だと思ってるの…!?」
「そうではありません、どちらかというと犬寄りの猫でしょう。
ただ俺は傍に置いておきたいだけです」
……ズルい。
だって許せちゃうんだもん。
早乙女 燐なんかとは全然ちがうんだもん。
あんなやつとハヤセを比べること自体まちがってるけどっ!
「…いま、誰かと比べましたか?」
ギクッ…!
えっ、バレてる…!?
「う、ううんっ!」
「お仕置きです」
「えっ、まって、わっ───…っ!」
ちゅっ───…。
おでこに甘い甘いお仕置きが実行されて。
ふわふわと天に昇ってしまいそうな気持ちの中、無事に舞踏会の準備は万端───。