恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)
<違和感・格差の考察・4>

「みれいは、いっつもがんばっているからさ・・
お誕生日プレゼント、これ使って?」
礼智が微笑んで、きれいなリボンの箱を差し出した。

「ああ・・ありがとう」
箱は有名な高級ブランドのもの。

「開けてみてよ」
礼智が促すので、するするとリボンを解いて箱を開けると

「こんな高級品って・・・!」
私は思わず叫んでしまった。

礼智のくれた誕生日プレゼントは、高級ブランドの長財布だった。

深い色合いのワインレッドで、
一目でわかるブランドロゴが入っている。
たぶん10万以上する商品。

礼智は金持ちだ・・
否、正確にいうなら彼の父親が金持ちだ。
父親は地方の財界人、代々続く大きな会社を経営して裕福だ。

礼智は、
父親の銀行口座から引き落とされるであろうカードで、平気で支払いをする。

これも父親のカードで支払ったものに違いない。

「あの、大切にするから」
戸惑う私の答えに、礼智は不服そうな声を出した。
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