ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「次はかならず(ほおむ)る」

 手をかざしてかまえるルキくんに、黒ずくめの女がシーッと人差し指を立てる。

「こちはそちの敵ではない」

 ニヤッと白い牙を剥きだし、私を見る。
 その姿がとても恐ろしくて、ルキくんの腕にしがみつきながら大きな背中に隠れた。

 怖いと思ったときには、すでにとなりへ現れていて、冷たい指先が私の頬に触れていた。

 ぞくりと背筋が震え上がる。

「さて、こちと戦えるかいな?」

 ヒッヒッヒ、と目隠しの黒いフードを脱ぐと、切なげに見つめる優希ちゃんの顔があらわになった。

 どくんと鼓動が波打って、冷や汗があふれ出る。

「お前っ、また血術をーー!」
「これは血術ではない。真の姿がこれなのさ」

 避けられているなか1人だけ話しかけてくれて、笑って友達になりたいと言ってくれた。

 こうして明るく笑う表情は、私のよく知る優希ちゃんそのものだ。

「さあ、剣で突くがいい。そちに出来るかね?」

 左右に両手を広げて、ふわりと足を浮かせる。
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