ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「……小嶺さん?」

 車を停めている方から、ルキくんが歩いて来た。驚いたような目で私を見ている。

「どうして、ここが?」
「ごめんなさい。興味本位で、つけて来ちゃった」

 気まずさを出したくなくて、軽い感じでテヘッと笑う。

「来ちゃった……って」

 草にまみれた細道を見ながら、何かを考えるように頭をくしゃっとしている。

「でも驚いた。引っ越して来たとき、このお屋敷には誰が住んでるんだろって思ってたの。まさか、ルキくん()だったなんて」

 屋敷を見ながら、思わずため息をつく。
 しっくり来るというか、黒羽兄弟なら似合いすぎてむしろ城の方が願ったり叶ったりだ。
< 41 / 158 >

この作品をシェア

pagetop