ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
 そういえば、一緒に帰るってことは、やっぱり影楼先生と親戚関係なのかな?

 ちらりと視線を送ると、パッとそらされた。

 もしかして、引いてる?
 『つけて来ちゃった』って、よく考えたら軽くストーカーじゃない?

 お屋敷に興奮して忘れていたけど、私は嫌われているんだった。どうしよう。

 目を合わせないで、ルキくんは淡々と言う。

「あのさ……前に言ったこと、覚えてる?」

 スカートのひだをギュッと握って、震えるのどを締める。

 最終警告でも出されるのかな。もう少し話してみたいと、思ったのに。

「白川村にいない方がいい? それとも、関わるな……?」

 気まずくなって、唇がひきつっていく。

「ちゃんとした理由を教え……」
「前言撤回する」

 今度はまっすぐ見つめる目に、言いかけの言葉を飲み込んだ。
 透明感のある夕焼け色に吸い込まれそうだ。

「これからは、俺のそばにいろ」

「……はい?」

 ワンテンポ遅れて、何度もまばたきをする。頭の中でリピートしてみるけど、やっぱり聞き間違いじゃない。

 拒絶がどうしたらそうなる?!
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