置き去りにされた花嫁をこの手で幸せに
起きるとすでに日差しは照っており10時を過ぎていた。

ふと見るとまだ隼人は寝ていた。
寝ている顔は少しだけ若く見える。
顔にかかった髪をどけてあげようとすると手を掴まれた。

「おはよう」

「おはよ」

そういうとまた布団の中に引きずり込まれた。

「朝から奈々美が見れて嬉しいよ」

「隼人は甘すぎる。私ドキドキしすぎて死んじゃいそう」

「俺にだけ甘やかされて。俺は奈々美だけしか甘やかさないから」

そういうとチュッとキスをして起き上がった。

下着だけ履くと隼人はバスルームに向かいお湯を溜めているようだった。
私は近くに脱ぎ散らかしてあったパーカーに手を伸ばし着替えようとするが隼人に抱きかかえられそのままバスルームに向かった。

あっという間にお湯はたまり、私は隼人に頭から体まで全て洗ってもらいバスタブに浸かった。
隼人もすぐに洗い終わると一緒に入ってきた。

隼人に後ろから抱きしめられると、昨日の蜜のように甘い夜を思い出してしまった。

「隼人とこうして今いることが不思議。でも隼人がいないことは想像できない」

「そうだな。俺も奈々美がここからいなくなることが想像できないし、したくもない」

チュッと音をたて首の後ろにキスをされた。
隼人の手は私の胸や太ももに触れてきたことに気がつくと身体を捩らせてしまった。
すると隼人の何かが私のお尻に当たっている気がする。
もしかして……

「奈々美がダメならしない。我慢できる。俺のが素直なだけだから抑えるよ」

苦笑いしながら頭をかいていた。

私は向かい合うように座りなおすと隼人に伝えた。

「私も隼人と繋がりたい」

隼人は私の言葉に驚いた様な顔をしたがすぐに破顔し抱きしめられた。
そのままバスルームで熱い時間を過ごした。

「隼人に求められて私は女としての喜びや幸せを感じるの。隼人が私に教えてくれたんだよ」

「俺も奈々美が腕の中にいるだけで、幸せで胸がいっぱいになるんだ。いつまでもずっとここにいて」

私たちはお互いを求めあい、なかなか部屋から出ることができず甘い時間を過ごした。

蜜のように甘い時間がいつまでも続くことはもう決まってる。

END

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