妄想ファンタスティック
東北人のリンゴ事情。
今、目の前につややかな光沢に潤んだ一片のアップルパイが置いてある。その向うにじっと見つめる彼女。嘘をつくのが苦手だったり辛い事があると決まって拳を上げて『YAHYAHYAH』をカラオケで歌ったりどちらかといえば不器用で真っすぐな彼女が突然、唯一の得意料理!とアップルパイを焼いて来た。「秋田のリンゴだって青森産に負けないんだから!」と東北人特有の清廉で透き通るような白い肌を上気させ頬から首筋にかけてほんのり紅くしている艶めいた“秋田小町”。しかし困った。アップルパイが嫌いだなんて言えない…
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