何も言わないで。ぎゅっと抱きしめて。



「隼輔、ちゃんと野菜も食べるんだぞ?」


「おやさいイヤー」


「こら、嫌じゃなくてちょっとでいいからちゃんと食べなさい」



しつけに於いても一緒にいる間は積極的に参加してくれており、隼輔もイヤイヤ言いながらも隼也の言うことを聞いていたりもする。


ほら、今だって嫌いなはずのブロッコリーを小さいけれどちゃんと食べてくれた。



「隼輔すごいなあ!かっけぇなぁ!」


「かっけー?」


「かっこいいってこと!」


「うん!しゅんちゃんかっけー!」



隼也に褒められてきゃっきゃと喜ぶ姿も、その後すぐに口からはみ出したブロッコリーを落としてしまって落ち込む姿も。


何を見ていても可愛くて、癒される。


その夜は、隼輔は隼也の腕に抱かれて眠った。



「……どうした舞花」


「……ううん、なんでもない」


「なんでもなくないだろ。言ってみろよ」



隼也の腕の中の隼輔の頭をそっと撫でていると、有無を言わさぬ声が降ってくる。


しかし、今の気持ちを伝えるのは少し恥ずかしくて。


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