猫目先輩の甘い眼差し
「悪いって?」
「お互い大荷物でさ。もしかしたら学校見学とかに行ったのかなって。まぁ、行き先は違ったみたいだけど」
見かけたことを伝えたのか尋ねてみたら、あえて聞かなかったという返答が。
「学校見学なら進路関係か……。相談してたとか?」
「かなぁ。じゃなきゃ2人で遊びに行くなんてしないだろうし。秘密にしてたのも、個人的な問題だからだったんじゃないかな」
樫尾くんが述べた後、授業開始のチャイムが鳴り、先生が入ってきた。
個人的な問題か……。
もうすぐ夏休みも始まるし、夏期講習とか、オープンキャンパスも増えてくる。
人によってはデリケートな話題だから、簡単に触れないでほしいって嫌がる人、いるよね。
まだ決まったわけじゃないけど……朝日先輩の気持ちを考えて黙ってたのかな。
✾✾
放課後。
「へぇ、水泳かぁ。何の種目?」
「リレーでアンカー」
「マジ⁉ アンカーってめちゃめちゃ盛り上がるところじゃん! 俺はバドミントンのダブルスに出るつもり〜」
全ての授業を終えて、笹森くんと樫尾くんと一緒に生物室へ向かう。