猫目先輩の甘い眼差し
考えすぎかもしれないが、もしかしたら、私達の交際を本当はあまり嬉しく思っていないのでは。
横取りされたと、内心やきもちを妬いているのではないかと不安になっていたんだそう。
「それって、自分に対して、敵対心持ってるんじゃないかってこと?」
「はい。先輩のこと、すごく慕ってるじゃないですか。私も、せっかく仲良くなったのに、ギクシャクしたくなくて……」
俯いた姿を見て、ハッと思い出した。
中学時代、世蘭ちゃんは猫チョコレート事件で、小学校の頃からの同級生と疎遠になった。
だとしたら、仲違いして険悪になることを恐れているのかもしれない。
「まぁ、親しい後輩ではあるけど……敵対心はないと思うなぁ。だって、相談乗ってくれたんだよ?」
「そうですかね……」
「うん。多分ビックリして上手く声が出なかったんじゃない?」
まさか、別の意味での三角関係か……⁉
と一瞬考えたけど、さすがにそれはないか。
応援してもらったし、『自信持ってくださいよ』って、励ましてもらったし。