猫目先輩の甘い眼差し
「世蘭ちゃん不足で勉強がはかどらなくなるかも」
「大丈夫ですって! 夏休み中も我慢できたんですから! 待ち受けの写真を見て元気出してください」
「……それでも足りないかもしれない」
「えええ……」
日が経つにつれて、相当お疲れのようなのか、愛情表現も激しくなっている。
これは旅行中に1回、写真を送るか、電話したほうがいいかもしれない……。
「そんなに寂しいなら、何回か連絡しましょうか?」
「いや、いいよ。旅行の邪魔したくないから。我慢する」
「そうですか……」
頑張ってくださいねと言わんばかりに肩をポンポンと叩く。
どうしよう。こんな風に気持ちをぶつけられたら、なんだか私まで寂しくなってきちゃった。
すると。
「ごめん。5分だけ、ここに寝ていい?」
「えっ」
ポンポンと、先輩が叩いたのは、私の膝の上。
これは、膝枕のおねだり……⁉
「……3分だけならいいですよ」
「短いなぁ。でもいいや。ありがとう」
座り直した先輩が、私の膝の上にゴロンと寝転がった。
仰向けになった彼と目が合い、急いで顔を背ける。