猫目先輩の甘い眼差し
「しばらく会えなくなるっていうのに、なんで冷たくするの?」
「それは……っ、先輩がそうやって甘えてくるからです」
座り直した先輩と再び距離が縮まる。
本当はまだ1分も経っていない。
だけど、もしこの場に誰かが来てしまったら。
それこそ、学校に行けなくなるくらい恥ずかしいので嘘をついた。
けれど今、口走ってしまったことを後悔している。
「甘えられるの、嫌だった?」
「そういうわけではなくて、変なところばかり責めるのがちょっと……」
「変なところ? どこ?」
横から抱きしめられ、耳元で囁く声が響いた。
時々吐息が触れて、思わず声が漏れそうになる。
「ふはっ。真っ赤になってる。可愛い」
「やっ……」
チュッと小さいリップ音が聞こえたのと同時に、耳たぶに温かい物が触れたのを感じた。
今の、まさか……。
「……どうしよう、止まんない」
いつもより低い声が響き、両肩を掴まれた。
視線がぶつかり、ゴクリとつばを飲み込む。
「ごめん、ちょっとだけ」
「……んっ」