猫目先輩の甘い眼差し
叱られて気まずそうに黙り込む2人と、その横でホッとする私。
助かったぁ。
……と思ったけど、そういう先輩も、この前言い争ってませんでした?
でも、ケンカというより熱く語り合ってただけだから、ここは部長のメンツを守るために黙っておこう。
「市瀬さんごめんね。雷夜と話してたんだよね? 何があったか教えてくれる?」
「あっ、はいっ」
気まずさマックスの中、目黒先輩との会話内容と、先輩達がケンカに至った経緯を説明。
連絡交換も、彼女に悪いかなと思い、迷っていただけだと伝えた。
「私ったら、話も聞かずに……本当にごめんなさい」
「……ごめんね」
誤解が解け、深いお辞儀と共に謝罪を受けた。
「気ぃ遣わせてごめん。俺、彼女いないから交換しても大丈夫だよ」
「ありがとうございます……!」
スカートのポケットからスマホを取り出す。
琳子さんとは小学校時代からの友達で、付き合っているわけではないとのこと。
じゃああの照れ顔は犬の話で興奮してただけか。
「あの……私も犬グループなんだけど、交換してもいいかな?」