真夜中に恋の舞う







「こんにちはー……あれ、」


いつも通り、今日も放課後に生徒会室に入ると、まだ時間が早かったのか人気がなかった。

中にいたのは、椅子に座って寝ている犀川くんだけ。静かにドアを閉めて、そっと近づく。





「寝てる……」



間近に見る犀川くんの寝顔。

整った横顔。長い睫毛。薄い唇。金髪のくせにさらさらの髪。


疲れているのだろうか。生徒会の仕事も大変なのに、犀川くんはきっと夜も忙しいのだと思う。


バイクに乗っていた彼の姿を思い出す。

親もいないって言っていたし、体は大丈夫なのかな。そう思いながら綺麗な寝顔を見ていると、体が勝手に、惹きつけられるみたいに近づく。


ゆっくり顔を近づけて、その薄い唇に、触れてしまいそうになった、瞬間。






ぱち、と彼の目が開いて、視線が合う。






「っ……!」





私、今、何しようとしてた!?



一瞬で我に返ったけれど、もう遅い。

犀川くんが、悪魔の笑みを浮かべる。





「今、何しようとした?」





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