真夜中に恋の舞う
飛びのくように離れた体が、じりじりと近づく。
必死に目を逸らすけれど、犀川くんは私から目を離さない。
私の両手首を掴んで、座った椅子ごと壁際に追いやられる。
近づく顔。触れそうな唇。
「不良は嫌いなんじゃなかったの?」
勝ち誇ったような笑み。
「きら、い」
「ふーん、嫌いなんだ」
「……」
「じゃあ、何でキスしようとしたの」
耳元で、囁くような声。犀川くんの吐息が左耳にかかって、ぞくぞくする。
「わかん、ない」
「俺が欲しいなら、あげるよ」
「っ、」
ああ、もう、ずるい。
そんなの、欲しいに決まってる。