真夜中に恋の舞う



そっと顔を近づけて、犀川くんの綺麗な頬に唇を落とす。


犀川くんは少し驚いた顔をして、それから、ふっと頬を緩めた。





「残念、唇じゃないんだ」


「……これが精いっぱいです」


「はは、かわい」





ぽん、と私の頭を撫でて、犀川くんは私から体を離す。

ドクンドクンと、うるさいくらい心臓が鳴っている。


王子様の甘い罠から、もう逃げられる気がしなかった。









「……どうしようかな」




次の日。なんだか疲れているらしい犀川くんにあげようかなと、今日はお弁当を作ってみた。



私の分と犀川くんの分、2つ作ってきてみたのだけれど。たしか、犀川くんは昼休みも生徒会室に行っていたはずと思い、犀川くんの分のお弁当を持って生徒会室に向かう。




「失礼しまーす……」




あまり音を立てないように、静かにドアを開けると。




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