真夜中に恋の舞う



「あれ、萌乃どうしたの?」




昼休みに私がここに来たことはないから、驚いた顔をしている犀川くん。

と、その隣でご飯を食べている浅木さん。

そして何より、2人の前には中身の同じお弁当が広がっている。




「あれ、その、お弁当って……」


「私が作ったの。犀川くん、いつもお昼食べてなさそうだったから」



浅木さんの得意げな顔に、私は手に持っていたお弁当箱を、そっと背中に隠す。


私が作ったお弁当よりもはるかに美味しそうで、品数も多いそれを前にして、私も作ってきただなんて言えるはずもなかった。




……それに、並んでいる2人は美男美女で、どう考えたって絵になる。王子様と王女様みたいだった。





「で、何かあった?」



私が生徒会室に来た理由を問う犀川くん。



「あ、ええと。昨日来た時にここにポーチ忘れたかもって、思ったんだけど」



咄嗟の言い訳。犀川くんは生徒会室の中を見回している。



「ポーチ?どんなの?」


「あっでも、やっぱりここにはなさそう!ごめんね、失礼しました!」



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