真夜中に恋の舞う



早くその場から立ち去りたくて、慌てて生徒会室を出る。



あーあ、せっかく作ったのに渡せなかったな。


私の手元に残るお弁当箱を見つめる。


浅木先輩の美味しそうなお弁当が、2人のお似合いな姿が、脳裏に焼き付いたように離れない。


ぎゅ、と胸が苦しくなる。





本当は分かってる。犀川くんはきっと、本当に私を好きなわけじゃない。


私と犀川くんでは、住む世界が違う。



浅木さんの方がお似合いで、犀川くんが私を好きになるわけなくて、それで。




教室に戻りながらぐるぐると考えていたら、ちょっとだけ涙が出た。






「はるちゃん、お弁当いる?」

「え?何、萌乃が作ったの!?」

「うん、そう」

「え、美味しそうじゃん。くれるの?」

「あげる。よかったら食べて」




犀川くんにあげられなかったお弁当。


1人で食べるには多すぎるし、捨てるにはもったいない。ちょうど購買にご飯を買いに行こうとしていたはるちゃんに渡したら、嬉しそうに食べてくれた。




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