真夜中に恋の舞う
「え……」
放課後。今日もいつも通り生徒会室に行って、犀川くんの仕事が終わるのを待って、それから一緒に帰ると思い込んでいたけれど。
スマホに着信したメッセージを見て、落胆する。
『ごめん、今日は結構遅くなりそうだから先に帰ってて』
もう文化祭が来週に迫っているから、生徒会の忙しさもピークなのかもしれない。
他の生徒たちも、放課後はクラスの出し物の準備でペンキを塗ったり、装飾を作ったりを進めている。
私もクラスの準備を少し手伝ってから帰ることにした。
うちのクラスは、屋台でチュロスを売る予定。
屋台の看板やメニューを作ったけれど、屋台はお化け屋敷なんかとは違って装飾が少ないので、準備も早めに終わり、いつもより早めに学校を出た。
「萌乃」
校門を出て少し歩くと、停まっていた黒い車から声を掛けられる。
驚いて振り向くと、窓から顔を出していたのは、妹尾尋だった。