ままになったら極上御曹司に捕まりました?!

「社長、お待たせ致しました。……社長?」

「あ、あぁ、資料渡してきてくれてありがとう」

「どうしたんですかそんなボーっとして。社長が何もしないで座ってるなんてどこか悪いんですか」

失礼なやつだ。俺だって人間なんだから仕事をしない時なんていくらでもある。

「悪いわけではないんだが……。なぁ、蓮。昔うちの会社にいた花宮覚えてるか?」

「そりゃあもちろん。あんなに社長が血眼になって探してましたから。私も探してはみましたが、結局みつかりませんでしたよね」

「そうだったな…」

「彼女がどうかなさったんですか?やっぱりまだ、4年前のこと引きずって……」

「いや、そういうつもりじゃないんだが……彼女を見つけたんだ」

「え、?会ったんですか?」

「さっき…ここの公園で……。俺も最初は人違いだと思ったけど、どう見ても彼女だった。俺が間違えるはずがない」

「本当ですか。探しに行きます?」

「いや…いい。元気だったらそれで。彼女、子どもを連れていたんだ」

「子ども……ですか?それは彼女の?」

「いや……わからない。けど、髪の色は同じだったような気はする」

「私は社長がそんな簡単に諦める人間に見えないですけどね」

「さすがに結婚してるかも知れない相手に手出しはできないだろ」

でも、久しぶりに見る彼女を出来ることなら抱きしめたいと思ってしまった自分がいた。

「まぁ、社長がそういうのなら…くれぐれも、仕事には影響しないようにしてくださいよ」

「わかってるって。俺がどんだけ仕事してるか知ってんだろ」  

はぁ、と蓮がため息をつく。いくら昔からの顔馴染みだからって馬鹿にしやがって。

「とりあえず今日のところは旅館へ行きましょう。他の職員はそろそろ到着そうです」

そう言って、蓮は車を発進させる。

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