ままになったら極上御曹司に捕まりました?!
「社長着きましたよ」

「あぁ、運転お疲れ。明日は俺が運転してやる」

「いや、何か事故にあって文句言われても困るので私が運転します」

ったく。運転手は雇わないで自分で運転するって言ったのはいいものの、一回も社用車のハンドルを握った試しが無い。

普段は自分の車運転してるっていうのに。

「ここの旅館、手入れされてて景色もいいですね」

「あぁ、向こうの社長さんがお薦めするわけだな」

まだ花がたくさん咲いているわけでは無いが、蕾のついたものもあり、もう少し暖かくなってから来たら、さらに綺麗だろうなと思う。

「早く入りましょうか」

「あぁ、そうだな」

そう言って旅館に入る。

中に入ると、女将さんが出迎えてくれる。とても品のある着物姿で、この仕事が好きなのだなと、一目でわかった。

「この度は花宮旅館へおいで下さり、有難う御座います。私は当旅館の女将でございます。何かありましたら、従業員までお申し付けくださいませ」

「ありがとうございます。宮代と申します。社員共々2日間、お世話になります」


「こちらそこそよろしくお願い致します。藤の間と、梅の間をご用意しておりますので、お好きな部屋へどうぞ」

女将さんから鍵を預かる。

「蓮は藤の間でいいか？」

「えぇもう食事はいつでもいいらしいので、早くスーツ着替えて来て下さい」

「わかった。準備したら部屋に行くよ」

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