ままになったら極上御曹司に捕まりました?!

「もう二度と逃げないって約束するなら離してやる」

この間も逃げたつもりなんてなかったけど、早く離れたい一心で、半ばやけくそになる。

「逃げません」

「本当に?」
「本当です」

押し問答がしばらく続いて、やっと専務の腕から解放される。

そもそも、私が想像していた専務の姿より、とてつもなく強引で、俺様な人だった。

それに、自分のことを俺って呼ぶところを初めて聞いた…。

「なんで朝勝手にいなくなったんだ?」

「いえ、そんなつもりは全くなかったのですが…。その晩の何も記憶が無くて、動揺してしまって…」

「…記憶がない?じゃあ俺があの夜言ったことも何も覚えてないってことか?」

…専務が言ったこと?

何のことかしら…本当に記憶がない。

「はい……、すみません」

はぁ、と大きなため息をつく専務。

免疫のないレベルの整った顔を目の当たりにしている上に、何故かすごく距離感が近くて、私の心臓がおかしくなりそうだった。

「まぁいい、何度でも言ってやるよ 。今日からお前、俺の女になれ」

……えっ、?オレノオンナ…俺の女…?!

どういうこと?!

一夜の関係から"俺の女"になった?

そもそもあの夜の出来事だって彼には想定外だったはずで…。

もしかして、責任感とかそういうものを感じてるのかしら。

むしろ申し訳ないのは私の方なのに。
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