ままになったら極上御曹司に捕まりました?!
あ、もしかして体だけのお付き合いって感じかしら。

さすがに何一つ申し分ない方なら、そんなものの1人や2人はいてもおしくないわよね。

「おい、返事はないのか?」

「あ、はい。いや、はいではなくて、あの…それって何かの人間違いじゃ無いでしょうか?」

「はぁ?」

顔が整ってるだけに、ため息を疲れると数百倍ダメージがある。

「いえ、その…私たちそんなに話したことないですし。あと身分的なのも全然違いますし」

「じゃあそもそも、なんでこないだはホテルの従業員してた奴を俺が今ここで待ってたと思う?」

「…た、確かに…。私が夜言いましたか?」

「んなこと言ってないわ。だってべろべろに酔い潰れて俺の事襲ってきたじゃねーか」

!!!?!!!、!!?!

襲った?!私が?!

記憶もないし、弁解の余地もない。

でも、そんな尊敬している相手を襲うだなんて…私のバカ、何やってるのよ。

「その節は本当に申し訳こざいませんでした…」

「俺は謝って欲しいんじゃなくて、返事を聞きたいんだけど?」

もう後戻りはできない。

「…私男性とお付き合いした経験があまりないのですが…それでも良ければ」

体の関係なんていう高レベルなことは、恋愛経験ゼロの私にはできるとは思えない。

だけど襲ってしまっただなんて…それに会社の専務を…ましてや時期社長を。

グビにされるよりは体の相手の方がマシよね。

「じゃあこれからよろしくね、花宮さくらさん」

「よ、よろしくお願いします…」

「あ、あとさっきのは嘘だから」

「えっ…?」

「さくらから襲ったって話」

え、?嘘だったの?私、騙されただけ…?

…それにいつの間にか呼び捨てで呼ばれてるし。

「まぁ詳しいことは今日の夜話すよ。仕事終わったらここまで来て」

そう言って私の手に紙を握らせ、颯爽と部屋から出ていく専務。

入社してから約2年半、全く接点がなかった専務と何故かお付き合いをすることになった。それも夜だけ。
要するにこれは、体の関係ってことよね。

専務がくれた紙には、どこかの住所が書いてあった。きっとまた行きつけの店だろう。

行かないという選択肢も一瞬頭に浮かんだが、すぐに頭からかき消す。

会社の専務を怒らせたら私の身が危ない。

いつもはすぐに終わる仮眠室の整理を、少し時間をかけてゆっくりと終わらす。


だが儚い抵抗は無駄に終わり、とうとう覚悟を決めなくてはならなくなった。

部屋から出て、貰った住所を調べてみる。

マンションって出てきたから、その中にお店があるのかしら。
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