ままになったら極上御曹司に捕まりました?!
「ままー、おはよう!おきてままいなくてさがしにきたの」

「悠くん泣かずに偉いね〜!ままと保育園の準備しに戻ろっか」

「うん!あとね、あのおじさんと遊んだの」

そう言った悠真の視線の先には、我が子と似た顔の彼が立っていた。
いや、似たのは悠真の方なんだけども。

「亮真さん…」

どうやら朝風呂の帰りに悠真と会ったらしく、しっとりと濡れた彼の髪がさらに色気を引き立てていた。

…ってそんなことより、昨夜あんなに気まずい思いをした相手と出くわすなんて。

お互いに4年も経ったし、あの時の関係なんて口にも出せないくらいのものだったのに、抱き締められるとは思いもしなかった。

お互いに気まずい雰囲気が流れる。

「…さくらの子どもだったのか。可愛いな」

先に口火を切ったのは亮真さんだった。

まぁ、あなたに似て顔の整った可愛い子ですなんて言えるはずもなく、

「ありがとうございます」とだけ返す。

「今何歳なの?」

「…この間2歳になりました」

年齢を言ったら計算してバレてしまうかもと思い、咄嗟に嘘をつく。

2歳…には見えないがまぁ、誤魔化せるだろう。

「2歳か…、そっか。忙しいのにわざわざ引き止めてごめんな」

「いえ、こちらこそ子どもと遊んで頂きありがとうございました」

「悠くんもまたね」

足元で遊んでいる悠真に、亮真さんが声をかける。

「うん!おじさんまたあそぼうね」

悠真を抱き上げて、離れに向かう。

「悠くんおじさんと何して遊んだの?」

「トラレンジャーのおはなしした!」

「そっか、遊んでくれて良かったね!」

まさか彼がトラレンジャーなんて知らないだろうけど、そもそも一生ないと思っていた親子のような姿に、不覚にも涙が出そうだった。

「あとね、ぱぱどこいるの?」

急に悠真が聞いてきた。

「え、?ぱぱ?」

「うん、さっきおじさんぼくに聞いたの」

「悠くんはなんて答えたの?」

「わからないって」

「んー、悠くんのぱぱはねすごい人なんだ。頭も良くてかっこいいの」

「そっかあ、だからままもかわいいんだ」

どこでそんな言葉覚えたのかしら…
これは将来モテモテになるだろうなぁ

「うふふ、ありがとう。悠くんの方がもーっと可愛くてかっこいいよ」

親ばかに聞こえるかもしれないけど、本当に可愛い。将来はイケメンだな。
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