ままになったら極上御曹司に捕まりました?!
「今日呼んだ理由なんだけど…まず、昨日の夜は驚かせてごめん。無意識のうちに体が動いてて…。それともうひとつ話したいことがあって、」

「昨日の夜の事は、もう気にしてないので大丈夫です。それは、今日の本題ということでしょうか?」

「そうだ…。さくらから言う気はないのか…」

何かを小さく呟いた亮真さん。

「まぁいいか。単刀直入に聞くが、さくらの息子の父親は誰だ?」

やっぱり気づいていたのか。まぁ、瓜二つだものね…。

きっとここで嘘を言っても彼にはバレバレだわ。でも私は亮真さんに迷惑をかけたくない。

「父親はいません。私が産んで育てました」

「さくらは……どうして…なんでも一人で背負おうとするんだ?俺が父親だと、一言言ってくれるだけでいいのに。俺なんかを父親だと認めたくなくても、養育費をとことん請求してくれればいいのに。俺はさくらにとってそこまでの存在なのか?」

そうじゃなくて…もし知られたら迷惑になるし、それに亮真さんの未来を壊したくなかったから…

でも、もう隠しても無駄ね。

「…その通りです。悠真は私と亮真さんとの間にできた子です。勝手に産んでしまってごめんなさい。今更どうにかして欲しいなんて思ってないので、私たちのことは放っておいてください」

酷い言葉を投げつければ、きっと亮真さんも諦めてくれるはず。

「…っそういうことが聞きたかったんじゃない。2人を長い間放っておいて本当に申し訳なかった。公園であった時は気づかなかったけど、今日の朝遊んだ時に確信したんだ。俺の幼少期とそっくりだったから。それに、年齢聞いた時、悠真は3歳って言ったんだ。でもさくらは2歳って言った。年齢で俺にバレるかもって思ったんだろ?」

「嘘ついてごめんなさい…」

「だから俺が言いたいのはそういう事じゃなくて…。さくら、悠真を産んでくれてありがとう。大変な時に傍で支えてあげられなくて本当にごめん。俺は…まださくらのことを愛してる。だから、これからは俺が2人のことを支えたい。…だめか?」

「…えっと、亮真さんは結婚しているんじゃないんですか?それに私たちは4年前だって付き合うというか、身体のお付き合いの関係でしたし…。なのにわざわざ面倒を見てもらう必要はないので大丈夫です」

「ちょっと待って、なんか色々と誤解しているようなんだけど…はぁ俺が全部悪いな。とりあえず最初から説明するよ。まず、俺は誰とも結婚していないし、後にも先にもさくらとしか結婚するつもりはなかった。それに、俺は身体の関係だとは思ってなかった。婚約指輪なんて、本気で想っている相手にしかあげないよ。あまり会えないまま海外に行ってしまったのもあるし、俺の言葉が足りてなかった。ずっと傷つけててごめん。でも俺は心の底からさくらのことを愛してる」

突然の事実に頭がついて行かない。
亮真さん結婚していないんだ…。

「じゃ、じゃああの婚約者の方は?」

「…さくらは知っていたのか。元々親が決めた相手で、お互い好きな人がいたから親は説得しようってなってたんだ。説得前に海外出張が決まってしまったから、こっちに帰国してから正式に破談になった。全部落ち着いたらさくらにも話そうと思っていたんだが…。結局その前にさくらがいなくなって話せなかったけど」

亮真さんが悪いんじゃなくて、勝手に勘違いして1人で納得した私が1番悪い。

最初から思ったことを溜め込まないですぐに話せば良かったんだ。

亮真さんはそんな人じゃないって初めから知っていたのに…。

「そう、だったんですか…。勝手に色々勘違いしてしまってすみませんでした」

「いや、さくらは何も悪くない。謝らなくていいんだ。不安にさせてしまった俺が悪かった。本当にごめん。でも、俺はもう二度とさくらのことを離さない、もちろん悠真も。だからもう一度やり直す機会をくれないか。頼む」
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