ままになったら極上御曹司に捕まりました?!
自転車で15分くらいのところにある公園には、休日だからか、小さい子どもの姿が多かった。

結構色々な施設のある公園で、遊具を始めとして、スポーツ場や、小さな動物園など、1日中楽しめる。

「悠くんお友達たくさんいるね。最初はどこ行こっか?」

「ぼく、どーぶつみたい」

「じゃあ動物さん会いに行こうか」

動物園用に切ってきた野菜もあるから悠真も喜ぶだろう。


❁


「ままー!みてみて!うさぎさんかわいーね」

「悠くん抱っこするの上手だね」

「にんじんたべてるよ!ぼくとおなじだ」

ふれあいコーナーで、うさぎを抱いている悠真。
うさぎも可愛いけど、悠真もすごく可愛くて、つい写真をたくさん撮る。

「まま、ぼくつぎこーえんいきたい」

「じゃあうさぎさんとバイバイしよっか」

「うん、うさぎさんまたね!またくるねー」

ふれあいコーナーを出て、公園へ向かう。

ふと、近くの駐車場に目をやると黒光りの高級車が何台か並んでいた。

昼時の公園には似合わない威圧感で、違和感があった。

「ままー!ブランコのろー!」

私の手を握って走り出す悠真。一瞬の違和感はすぐに忘れて、悠真を追いかける。

空いていたブランコにサッとのり、キャッキャっとはしゃぐ悠真。

「もうちょっとつよくー!」

親心としては落ちそうでヒヤヒヤするが、本人は全く気にする素振りも見せず、もっととねだる。

「気をつけてねー!」

私に似た茶髪がサラサラと揺れて、我が子ながらとても絵になるなぁと思う。

「まま、つぎあれやる!」

そういって悠真が指さしたのはジャングルジムだった。

「まだちょっと悠くんには難しいんじゃないかな?」

「へーきだよ、ぼくほいくえんでやるもん!」

そう言って一直線に向かう。

私の心配をよそに、器用に登っている姿を見て、将来は運動神経抜群だなと思う。
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