イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。


癒されるってこういうことだよな。

いままで感じたことのない気持ちに、おれらしくないと思いつつも嫌な気はしない。



「いいんだよ。優乃はもっと甘えてくれたら」

「もう十分すぎるほど甘えさせてもらってます」


おれは十分、甘やかせてないんだけど。

もっと優乃を甘やかしたい。
もっと笑顔にしてやりたい。

こんだけじゃ足りないだろ。



「では、行きましょうか。わたしのオススメのところです」

「うん。車は校門前に待たせてあるから」

「車……?」

「おれの送迎の車。乗ってくだろ?」

「え、あ、伊月先輩は車登校なんですね。あ、そっか。御曹司だからですか?住む世界が違うってこういうことだったんですね」

「は?なにそれ?」

「友達が言ってたんです。伊月先輩は住む世界が違う人だって。同じ世界にいるのに不思議ですよね。でも、車登校ってたしかに漫画とかドラマでしか見たことなかったので……」

「歩くわ」

「え?」



優乃が驚いたような声を上げる。
そんな声すらもかわいいな。と思いながら、おれは決めた。


車登校はやめる。

優乃に住む世界が違うって思われたくない。


< 48 / 285 >

この作品をシェア

pagetop