俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
「今、トイレ行ったら、帰り部屋がわからなくなったんです」

「そうか、それでどうしたんだ」

「看護師さんが連れてきてくれました」

「良かったな」

「私は本当に東條さんの妻なんですか」

「ああ、そうだよ」

「東條さんとの事全然思い出せなくて、それに私達指輪をしてないんですね」

東條さんはしまったと言う表情を見せた。

「亜紀、ごめん、バタバタしてて、すっかり忘れてたよ、本当にごめん」

「大丈夫です、そんなに謝らないでください」

「退院したら、一緒に買いに行こうな」

私はどう答えていいか迷っていた。

しばらくして、亜紀は退院の許可が降りた。

相変わらずリハビリも兼ねて通院を余儀なくされた。

「亜紀、このマンションが亜紀と俺の住んでいたところなんだ」

部屋に入ると、亜紀はキョトンとしていた。

「どう、まだ何も思い出せない?」

「そうですね」
< 129 / 133 >

この作品をシェア

pagetop