俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
この申し出を断っていつまでも付き纏われては迷惑だし、一回食事でもすれば気が済むんだろうと鷹を括っていた。

亜紀に余計な心配をさせないように報告する必要はないだろうと考えたのが、俺の大誤算だった。

約束通り、愛理お嬢さんと俺は食事に出かけた。

車でドライブして食事をした。

亜紀には友達と出かけるとだけ伝えておいた。

「亜紀、折角の休みなのに、悪いけど友達と出かけてくるよ、留守番しててくれるか」

「大丈夫ですよ、お気になさらないでください」

「今度の休みは一緒に出かけような」

「はい」

なんて俺は調子がいいんだ。

こんなにもすらすらと嘘がつけるとは、自分で自分が怖くなった。

亜紀に本当の事を伝えて、心配させるよりは、嘘でも安心させておいた方がいいだろうと、この時は疑いもしなかった。

俺は愛理お嬢さんと待ち合わせをして、出かけた。
今日だけ思う存分楽しませてやれば俺の役目も終わる、そう思っていたが、まさか裏目に出るとは想像もつかなかった。

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