政略夫婦が迎えた初夜は、あまりに淫らで もどかしい
「プロポーズですか?」
「そうだ。二度目のな」
日が落ちた空には冬の星が散らばっている。
ストップランプの赤色がそこら中で点灯する中、近づいてきた大祐さんと唇を合わせた。
「ずっとここにいろ」
キスの合間にささやかれた〝ここ〟が大祐さんの隣だとわかり、自然と頬が緩む。
今日の大祐さんは心のガードが緩んでいるみたいだ。
もしかしたらドレスを選んだりして結婚式が現実味を帯びてきたことに少し浮かれているのだろうか。
だとしたら、嬉しい。
大祐さんをウキウキさせられて、嬉しい。
「はい。ずっとそばにいて、私の人生をかけて大祐さんを幸せにします」
真っすぐに見上げた先で大祐さんの顔がわずかに赤く染まっていた気がしたのは、周りの車のストップランプのせいだろうか。
たぶん違う気がしたけれど、そういうことにしておこうと思った。
FIN


