愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
ロンドンでの夜に始まって、彼と体を重ねるたびに新しい自分に気が付く。
それはまるで、固く閉じていた蕾が水を吸い日光を浴びて花開くよう。自分の内側がふわりとほころんで、彼に向かって花びらを広げたくなる。

さっきだって、あのソファーの上で抱かれることを一瞬だけ期待した自分がいた。

キッチンから離れたところにあるソファーをチラリと見てしまう。さっきおでこにキスされた時のことを思い出して、頬が熱くなった。

さっきだって、わたしの具合が悪くなければきっと―――。

「あーやだっ、だめだめっ…!」

まるで彼に抱かれるのを期待しているみたいな自分が恥ずかしすぎて、両手で顔を覆って悶えたとき、突然後ろから腰をさらわれ驚いた。

思いっきり首をそらして後ろを見上げると、今まさに頭に描いていた人が。

「しょっ、祥さん!」

一瞬、現実と妄想がごっちゃになったのかと思ったけれど、どうやらそうじゃないみたい。漆黒の瞳には甘さの欠片もなく、きつく眉根が寄せられている。
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