愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
「あの時出会ったのが、祥さんで良かった……」
そうでなければ、わたしはきっと結婚前に処女を貰ってもらおうだなんて突飛なこと、思いつきもしなかっただろう。あのまま大人しく日本に戻って森乃やのための政略結婚を受け入れて、荒尾との初夜を迎えていたに違いない。
荒尾との『初めて』なんて、考えただけで身震いと吐き気が込み上げる。
『初めて』は痛いものだと、妹や友人たちから聞いていた。あの夜のわたしは、それを望んでいたのだ。ひどくされて痛ければ痛いほど、そのあとの荒尾との夜に耐えられる気がした。
だから彼に『ひどくして』と言ったのに―――。
『……もっ、しょうさ、だめ……あぁっ…、』
『ここがいいんだな』
『や、だめっ……も、やだぁ……変になっちゃうから、ぁんっ、』
『変になっていい。俺の腕の中で存分に乱れて啼け』
『あっ、んんんっ、ゃあっ~!』
彼に初めて抱かれたとき、わたしは自分でも信じられないくらい感じていた。何度も達かされて、最後の方はほとんど意識が飛んでいた。
翌朝彼が寝ているベッドから転がるように逃げ出したあと、みんなが言っていた初体験談は、嘘か誇張がすぎるのじゃないかと叫びたくなった。