愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
予想の斜め上を行く答えに呆気にとられる母のことを全く意に介さず、祥さんは淡々とその時の話を続けていた。
当時香月グループの御曹司だった祥さんは、お父さまと一緒に森乃やに訪れたことがあるという。
お父さまとその時にご一緒していた知人の方の間に話に花が咲いて、大人の会話から弾かれた祥さんは、暇つぶしがてら森乃やを散策することに。
その時にわたしと出会って結婚の約束をした。そう彼は言ったらしい。
『そんな、年端も行かない子とままごとみたいな口約束…結婚の約束とは言いません!』
我に返ってそう非難した母だったけれど、それに対して祥さんが返してきた言葉。それを聞いて、母は証人欄に署名することにしたそう。
母はわたしがどんなに訊いても、その時の彼のセリフを教えてくれなかった。
返ってくるのは『あとは本人から直接聞きなさい』とだけ。
その代わりなのか、母は祥さんからの融資のことを教えてくれた。
祥さんは、『香月リゾートのお客様に、博多の老舗料亭をご案内する企画を立ち上げたい。それに協力していただけるのなら、森乃やの経営立て直しに協力いたしましょう』と持ち掛けた。
森乃やの他にも、地元の老舗旅館や温泉地などとコラボした新しい企画を考えていて、次なるビジネスチャンスを生み出そうとしているそうだ。
もちろん融資の件はわたしとの結婚とはまったく別で、ビジネスとしてきちんとした契約を交わしたい。そう言った祥さんに、母は『その件に関しては社長と相談後お返事いたします』と言って一旦持ち帰り、後日改めてその申し出を受けることにした。
『香月社長は寿々那を貰う代わりに、森乃やを助けてやってもいい―――そう言われた』
荒尾から聞かされたこの母のセリフも、やっぱり荒尾の虚言だった。
当時香月グループの御曹司だった祥さんは、お父さまと一緒に森乃やに訪れたことがあるという。
お父さまとその時にご一緒していた知人の方の間に話に花が咲いて、大人の会話から弾かれた祥さんは、暇つぶしがてら森乃やを散策することに。
その時にわたしと出会って結婚の約束をした。そう彼は言ったらしい。
『そんな、年端も行かない子とままごとみたいな口約束…結婚の約束とは言いません!』
我に返ってそう非難した母だったけれど、それに対して祥さんが返してきた言葉。それを聞いて、母は証人欄に署名することにしたそう。
母はわたしがどんなに訊いても、その時の彼のセリフを教えてくれなかった。
返ってくるのは『あとは本人から直接聞きなさい』とだけ。
その代わりなのか、母は祥さんからの融資のことを教えてくれた。
祥さんは、『香月リゾートのお客様に、博多の老舗料亭をご案内する企画を立ち上げたい。それに協力していただけるのなら、森乃やの経営立て直しに協力いたしましょう』と持ち掛けた。
森乃やの他にも、地元の老舗旅館や温泉地などとコラボした新しい企画を考えていて、次なるビジネスチャンスを生み出そうとしているそうだ。
もちろん融資の件はわたしとの結婚とはまったく別で、ビジネスとしてきちんとした契約を交わしたい。そう言った祥さんに、母は『その件に関しては社長と相談後お返事いたします』と言って一旦持ち帰り、後日改めてその申し出を受けることにした。
『香月社長は寿々那を貰う代わりに、森乃やを助けてやってもいい―――そう言われた』
荒尾から聞かされたこの母のセリフも、やっぱり荒尾の虚言だった。