愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
今度は彼の舌がわたしの方へと侵入し、激しく咥内を蹂躙する。歯列と口蓋をこするように撫でられ、まるで手を繋ぐように舌同士を絡ませられた。
混ざり合った唾液は淫猥な水音を立てて、鼻から漏れる声が自分のものと思えないほど甘ったるい。

驚きはしたものの、嫌ではなかった。
息が出来ないくらいに激しく、お互いのことを強く求め合うような深いくちづけを交わすのは本当に久しぶり。
入院してからはもちろん、入院前――もっと言うと妊娠が判明してからは、挨拶程度に触れるだけか、軽く撫でる程度。こんな官能的なものは一度もない。

ましてや、想いが通じ合ってからは初めてで。

「あなたが欲しい」と叫ぶように暴れる心臓。
苦しい以上に狂おしく、全身が甘く痺れていく。

いつのまにかわたしはベッドの上に仰向けで、真上から祥さんに見下ろされていた。

『寿々那―――抱いてもいいか』

思わぬ問いかけに、ハッと息を呑む。
真上にある漆黒の瞳には、見覚えのある熱が灯っている。

『今夜は抱きしめるだけじゃなく、もっと深く寿々那を愛したい』
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