愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
真っ直ぐに見つめられハッキリとそう言われたわたしは、なんと返したらいいのか分からずに、口を開いては閉じ、閉じては開くをくり返し。

安定期には入った。先週の妊婦健診ではドクターから「順調」のお墨付きも頂いた。だからおそらく「そういう行為」も問題なく出来るはず。

だけど―――。

妊娠前の行為、それを思い返すとどうしても躊躇してしまう。
彼はいつも激しくわたしを抱いたから。
それが嫌なわけじゃないけれど、あんなふうにして本当に大丈夫なの……?

すると、わたしの不安を読んだかのように彼は言った。

『この子を驚かさないように、最大限優しくする』

言いながら祥さんはわたしのお腹を優しく撫でる。

『大事にすると誓う。―――寿々那のこともこの子のことも』

その言葉にわたしは思い切って頷くと、男らしく端整な顔が見事にほころんだ。

その目元が、お義父さまとよく似ているなぁ、なんて考えながらぼうっと見惚れているうちに、視界が彼の顔でいっぱいになり、唇に柔らかな熱を感じて―――。

わたしはそっとまぶたを降ろした。

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