愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
「明日の朝の飛行機で日本に帰ったら、わたしは親の決めた相手と政略結婚することになっています。そうしないと、先祖代々守ってきた実家の店が潰れてしまうから」

「……寿々那はそれでいいのか?」

祥さんに訊ねられ、わたしはおずおずと頷いた。

「わたし、家族に黙ってここに来たんです。……本当だったら大学卒業後は実家の料亭に就職するはずでした。うちは二人姉妹だから、姉のわたしの方が婿養子を貰って店の後を継ぐのだと。もしかしたら今頃は親の勧める人とお見合いして、若女将として修業に励んでいたかもしれない……。それなのに、親になんの断りもなく、突然姿を消してイギリスに渡って……」

「誰にも何も言わずにか…?」

「はい。親にとったら寝耳に水の裏切り行為だったでしょうね」

「………」

「だけどわたし、後悔なんてしていません。両親には怒られるでしょうけど、この三年間は自分の好きなことに打ち込むことが出来ましたから」

「そうか……。だが、それなら余計に帰りたくないんじゃないのか?」

「………そんなことない、とは言えません。本当はもっとハーブの勉強をしたかった。でも……そのせいで森乃やが潰れかけているなら、責任をとって結婚するしかありません。三年間好き勝手してきたツケを払う日が来ただけ……親孝行だと思って帰ることにしました」

「親孝行、か……」

「はい」
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