愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
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あれから祥さんは『少し片づけたい仕事がある』と書斎へ上がっていった。

『しばらく休んでいろ』と言われたけれど、ソファーでひとり横になっていても落ち着かない。さっきよりも体調が回復したわたしは、夕飯を作ることにした。

(海外出張から帰って来たばかりだから、やっぱり和食がいいよね……)

そう考え、一番にお米をセットした。
せっかくこんなに早い時間に帰宅できたのだ。普段は外食が多いのだから、自宅で食べる時くらい体に優しくて、気持ちもほっとゆるむような料理を食べて欲しい。

「とは言っても、買い物は明日のつもりだったからなぁ……」

今夜は乾麺のうどんで済ませるつもりだったから、冷蔵庫の中身はほとんど空。
かろうじて使えそうな食材は、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、ベーコンなど、日持ちがするものばかり。ハズレのないカレーなら出来そうだけど、それを作るのは今日じゃない気がする。

「う~ん…、濃い味で舌が疲れているときでもあっさり食べられそうなものがいいんだけどなぁ……あっ!」

呟きながら野菜室を見たとき、目に入ったものに閃いたのだ。
わたしはすぐにキッチンの裏にある勝手口から温室へと向かった。
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