エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
「すっごく面白いのよ。でも、その巻で最後なの……」
残念な事実を口にして、千春はうつむいた。
「最終巻なのか?」
「ううん。シリーズはまだ続くんだけど先生が持っているのがそこまでなのよ」
「だったら続きを買えばいいじゃないか。駅前に本屋がある」
清司郎はこともなげに言う。
千春は首を横に振った。
「古い本だからもう売ってないわ。先生はネットで探してあげるって言ってくださったけど。忙しいのに申し訳なくて……」
現役の医院長である康二は清司郎に負けず劣らず忙しい。
たかだか千春の本に時間を割いてくれとはいえなかった。
「小夜さんは、インターネットは苦手だって言うし、私は携帯を持っていないし」
すると清司郎は「じゃあ俺がやってやるよ」と言って自分の携帯を取り出した。
件の本はすぐにヒットしたようだ。
「あった、あった」
「え? 本当?」
千春は身を乗り出して携帯の画面を覗き込む。
「十二巻からでいいのか?」
「あ、でも待って、十五巻だけは探せばあるはずって先生が言ってたから……あ、こっちはセットなのね。あ、このシリーズも知ってる! また読みたいなぁ」
残念な事実を口にして、千春はうつむいた。
「最終巻なのか?」
「ううん。シリーズはまだ続くんだけど先生が持っているのがそこまでなのよ」
「だったら続きを買えばいいじゃないか。駅前に本屋がある」
清司郎はこともなげに言う。
千春は首を横に振った。
「古い本だからもう売ってないわ。先生はネットで探してあげるって言ってくださったけど。忙しいのに申し訳なくて……」
現役の医院長である康二は清司郎に負けず劣らず忙しい。
たかだか千春の本に時間を割いてくれとはいえなかった。
「小夜さんは、インターネットは苦手だって言うし、私は携帯を持っていないし」
すると清司郎は「じゃあ俺がやってやるよ」と言って自分の携帯を取り出した。
件の本はすぐにヒットしたようだ。
「あった、あった」
「え? 本当?」
千春は身を乗り出して携帯の画面を覗き込む。
「十二巻からでいいのか?」
「あ、でも待って、十五巻だけは探せばあるはずって先生が言ってたから……あ、こっちはセットなのね。あ、このシリーズも知ってる! また読みたいなぁ」